注連引き、御供渡し
やんや 式なれは式ほど申す幾度も 幾度も御召し聞召し給え御神 ゝ これをしょうじ
やんや 秩すぎて冬の始めは今日かとよ 今日かとよ風ものどかにやよに桜 ゝ これをしょうじ
やんや 峯は雪ふもとはしぐれ里ほ雨 里は雨雨にましたるあられなるらんゝ これをしょうじ
  
                           (中略)

御前庭におろす御注連は幾重引く 幾重引く七重に八重に重ね引く
みたち庭に清浄の御注連は幾重引く 幾重引く七重に八重に重ね引く
神々に清浄の御注連ほ幾重引く 幾重引く七重八重に重ね引く
天照大御神のおり居の御座に今日ほど吉日綾をえて 錦を敷きて御座と参る

                           (中略)

当所に御座し召せ給うは一の御宮は諏訪大神 二の御宮ほ白羽の大神 火の御神や火の御神 神楽大神神楽大神 秋葉神社や金比羅様 日吉にましませ給うは 八坂の神社や火の大神
おり居の御座に今日ほど吉日綾をえて 綾をえて錦を敷きて御座と参る
当所にましませ給うは 八幡神社や白山神社 開祖の神社や山の大神 川には川水神 道祖神や塞の御神 高きは大神  低きほ小神
                            (中略)

春来て秋行く燕はたまの湯殿へ巣をかけて あれをば何かと祝うかえ 長者のじんとも祝うかえ ありやの門戸をおしとどめ 色々光が増しまさば 錦のみ戸帳を巻き上げて 風の返しが高きとて 神の林が榊とて 関のお跡をおあとえば 鶴より亀と祝いして 鶴より亀こそ久しけれ それ受け給われ玉の御神やんや
                  

式なれは式ほど申す幾度も 幾度も御召し聞召し給え御神
諏訪大神の御渡る時はさむしろし さむしろし御幣もゆるむ注連もそよむ 
二の宮の御渡る時はさむしろし さむしろし御幣もゆるむ注連もそよむ
諏訪大神の御御供御料のもりでがおりは左八つ 左八つ右に九つ中は舞堂
二の宮の御御供御料のもりでがおりは左八つ 左八つ右に九つ中は舞堂
                            
                     (中略)

神妻は関の御神 居森神 はしか神 関の大神 たたえ神 天には天神 地には地神 東方東は木の御神 南方南は火の御神 西方西は金の御神 北方北は水の御神 その中央は土の御神 五方五神の御神
式のみ遊び参らする 参らする御召し聞召せ給え御神

                     (中略)

神々の式のみ遊び参らする 参らする御召し聞召せ給え御神
平手を打って拝むには 神を返して神を返して とんとんとんやら ゆっととんとんやら やんや

注連引きの様子

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神子全員が舞堂にて本殿を向いて座り、楽頭様にあわせて鈴を鳴らしながら、注連引きのうたぐらをうたう。うたぐらの内容は、神に祭りのはじまりを告げ、注連縄を張って清めて、綾の御座を敷いて神を迎えることを申し述べるものである。注連引きは「やんや」とも呼ばれている。以下に注連引きのうたぐらの一部を示す。

注連引き(やんや)のうたぐらをうたい終わると、一同で二拍手一拝し、すぐつづいて御供渡しとなる。

御供渡しのうたぐらの一部は以下に示す。